<2021.6.3配信> 週間ブリーフ「国内で水素ステーション1000基へ、ダイムラーとノキアが特許問題で和解 ほか」


日本政府の成長戦略会議は、新たな「成長戦略実行計画案」をまとめ、2030年までに、燃料電池車(FCV)普及に向けて水素ステーションを現在の6倍との1000基に増やす計画であることが分かりました。電気自動車(EV)の急速充電器も現在の4倍の3万台に増設します。このほか、半導体産業への支援などが計画案に盛り込まれています。

また、「グリーン成長戦略」の見直し案ではトラックなど小型商用車の新車を40年までにすべてEVやハイブリッド車(HV)など電動車などに切り替える目標を盛り込みました。まずは2030年に2~3割の電動化を目指します。

トヨタ自動車は、取引先の部品メーカーに対し、2021年の二酸化炭素(CO2)排出量を前年比3%減らすよう求めたと報じられています。カーボンニュートラル達成に向けて、サプライチェーン全体での取り組みを進めます。

日立Astemoは、同社のEV向けモーターとインバーターが、1月に発売されたマツダ初の量産電気自動車の「MX-30 EV」に採用されたと発表しました。独自技術により、高出力で高効率な性能を持ち、インバーターは直接水冷型両面冷却パワーモジュールで小型化しています。

住友商事東北大学、無人機管制システム開発の米OneSky Systemsは、多数のエアモビリティが飛び交う未来の実現に向け、量子コンピューティングを活用したリアルタイム三次元交通制御に関する実証実験を6月から実施すると発表しました。東北大学の量子コンピューティング技術を応用し、高精度軌道シミュレーションを実施します。

海外では、コネクテッドカーに関係する通信規格の特許使用料をめぐり、独ダイムラーとフィンランドの通信機器大手ノキアが訴訟で争っていた問題で、両社は、ダイムラーがノキアに特許使用料を支払うことで和解したと発表しました。ノキアなどが持つ通信規格に関する特許はコネクテッドカーに欠かせないとされ、今回の和解は他の自動車メーカーと通信機器メーカーの関係に影響を与えるとみられます。

ドイツ連邦交通・デジタルインフラ省(BMVI)は自動運転に関する法案が連邦議会で承認され、ドイツ国内の公道で特定エリアにおいて自動運転レベル4が走行できる法的枠組みが整ったと発表しました。2022年までの早い段階で施行される見通しです。

BMWはSUVタイプの「iX」と4ドアクーペの「i4」の2種類のEVを発表しました。それぞれに2種類のパワートレインのモデルを準備し、上位モデルは各・最大630km、590kmと長い航続距離を可能にしました。2021年11月に納車開始予定です。

中国では、自動車大手の長城汽車がタイでスマート工場を稼働させると発表しました。2020年に米ゼネラル・モーターズ(GM)の工場を取得し、人工知能(AI)を活用した先端設備などを導入。生産能力は年間8万台で、まずはHVを生産し、2023年以降にEVを生産する予定とされています。

台湾の鴻海精密工業は、タイ石油公社(PTT)と提携し、タイでEVを生産すると発表しました。鴻海が開発するEV向けプラットフォーム「HIM」を基に、タイの製造事業者に使いやすいソリューションを提供し、タイの企業にEV事業への参入を促す計画です。

 

 

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