テクノロジー進化とユーザートレンド変化からMaaSの未来を読み解く‐5月28日開催ウェビナーレポート‐


株式会社ディー・エヌ・エー 執行役員オートモーティブ事業本部長 中島宏氏、株式会社Hacobu代表取締役 佐々木太郎氏、株式会社IDOM 経営戦略室CaaSプラットフォーム推進責任者 天野博之氏の3名を講師に招き、第5回ReVision Premium Clubウェビナーを5月28日午後5時から開催した。その模様をレポートする。

Date:2018/05/30

Text:住商アビーム自動車総合研究所 プリンシパル 川浦 秀之

 

DeNA×Hacobu×IDOMが実現した理由

 ウェビナーのタイトルは「テクノロジー進化とユーザートレンド変化からMaaSの未来を読み解く」。MaaS(Mobility as a Service)に対する注目度はますます高まるばかりだが、講師にお招きしたお三方は異なる角度から、この分野とかかわりを持っている。まずは講師それぞれのスピーチが行われた。

 最初に講師を担ったのはDeNAの中島氏。実は、今回のウェビナーは中島氏が対談相手として、Hacobu佐々木氏とIDOM天野氏に声がけした経緯がある。中島氏はお二人を招いた理由として、HacobuはB to B物流のMaaS領域に取り組んでいるほとんど唯一の企業であること、IDOMは販売サービス分野のプレーヤーとしてMaaSに一番しっかり取り組んでいる企業であることを挙げた。

ウェビナーの様子

 続いて、DeNAのMaaSビジョン「あらゆる人やものが安全快適に移動できる世界」について説明。さらに日産自動車、ヤマト運輸、神奈川県タクシー協会、Easy Mileとの取組に触れた後、今後クルマがConnectされ、さらに自動運転化されることで、今は「車両だけ」「車両+運転手」に分類されるモビリティサービスが大きく変化することを解説した。

 

叶えたい未来、ビジョンはなにか

  次に登壇したHacobuの佐々木氏は、自社で展開するシェアリング・ロジスティクス・プラットフォーム「MOVO(ムーボ)を紹介し、Hacobuが掲げるミッション「運ぶを最適化する」についても解説。

 さらに、10兆円産業であるB to B物流業界の保守性、非効率さに触れ、協調領域を拡大し効率化しないと持続可能にならないと述べている。そして「インターネット情報はGoogle、購買情報はAmazon、個人情報はFacebookにおさえられてしまったなか、物流情報は死守しなければならない最後の砦」であると力説した。

 3人目の講師、IDOMの天野氏は自社の状況について解説。中古車の買い取りから開始した事業が小売に拡大し、現在は新車の販売も行っていること、顧客の多様性に対応するために、小売り事業では「OUTLET」「LIBERALA」「SNAP HOUSE」等の複数ブランドを擁していることなどを説明した。

 今後、マーケットトレンドは所有から利用に移行するといわれている。天野氏はこの流れを受けて、「ガリバーフリマ」「NOREL」等のサービスを通じて、単純に売り買いするだけではなく、「貸す」「借りる」「使う」も含めた目的やプロセスも提供できるようになることを目標とするとした。ただし、買い取りや小売りといった事業領域から一足飛びにMaaSの世界に飛ぶのは難しいとも考えているが、反面、自社が強みを持つCaaS (Car as a Service、車そのものの使用方法などの多様化に対応したサービス)の領域ではまだできることがあると述べた。

 講演は三社それぞれの個性が感じられる内容だった。このあとは3名によるパネルディスカッションが行われ、視聴者参加型のアンケートなども行い、1時間半のウェビナーは終了した。

 


今回、講師を務めたDeNA中島氏、Hacobuの佐々木氏、IDOMの天野氏は5月31日開催のイベント「ReVision Mobility第1回セミナー&交流会」でも登壇されます。テーマは「ユーザーニーズの変化によって、カーシェアや運輸を含めたMaaSはどう発展するのか」。3名によるパネルディスカッションも予定しています。ウェビナーとはまた少し違った角度のセミナーにどうぞご期待ください。

 

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