第46回東京モーターショー2019が開幕し、各社から電動化や自動運転など「CASE」をフィーチャーした車両が多数展示されました。
トヨタ自動車の高級車ブランド「レクサス」は、電気自動車(EV)のビジョンを示すコンセプトカー「LF-30 Electrified」を発表。電動化技術と運動制御技術を融合させ、自動駐車をはじめ最新の自動運転技術も搭載しています。また、1回の充電で約100kmの走行が可能な「超小型EV」も公開し、2020年冬に日本で発売すると発表しました。
日産自動車は、EVのクロスオーバー・コンセプトカー「アリア」を公開。ツインモーターを搭載し悪路でも安定した走りができるほか、高速道路の同一車線でハンズフリーができる機能「プロパイロット2.0」も搭載しました。また、軽専用のEVプラットフォームを初採用した小型シティコミューター「IMk」も公開しました。
スズキは車の形が変わるプラグインハイブリット車(PHV)「WAKUスポ」を公開しました。スイッチを押すと、ワゴン型、4人乗りのスポーツ車などに車の形状が変化し、フロントマスクや車内のインテリア表示コンテンツも切り替わります。
マツダは同社初の量産型EV「MX-30」を初公開し、欧州で先行予約を開始すると発表。発売は2020年後半の予定で、マツダらしい走り心地を実現し、1回の充電で200kmの走行が可能です。
海外勢では独メルセデス・ベンツが、同ブランドの旗艦車種「Sクラス」のEVモデルとなる「EQS」のコンセプト車を日本初公開。時速100kmに4.5秒以下で到達するほか、フル充電で700km走行できるなど高性能を打ち出しています。
コンサルティング大手の独ローランド・ベルガーの日本法人は、仮想現実(VR)を活用した遠隔操作が可能な2人乗りの超小型EV「バトラーカー」を公開しました。
アイシン精機は、EV用駆動装置「eAxle」を2020年から量産を開始し、トヨタ自動車が20年に中国で発売するEV「C-HR」「イゾア」向けに供給することを明らかにしました。デンソーと設立した新会社、ブルーイーネクサスで開発・販売します。
パナソニックは自動運転が実用化された車を想定したデモ機を展示し、窓を大きな画面として車内の人が向かい合って映画などの映像を見る新たな空間を提示。また、パナソニックは東京モーターショーに先立ち、大阪府門真市の本社エリア内で社員向けの自動運転ライドシェアサービスの運用を開始したと発表しました。
モーターショー以外では、JR九州と西日本鉄道が、「輸送サービスにおける連携に関する覚書」を締結しMaaSにおいて連携すると発表しました。共通のスマートフォン用アプリを導入するほか、運行ダイヤを相互に見直します。
海外では、米フォード・モーターが北米で最大となる1万2000カ所のEV向け充電ステーション網「FordPass Charging Network」を整備すると発表しました。同社は2020年に「Mustang」をベースのEVを市場投入する予定で、先立って充電網を充実させます。
米テスラは7-9月決算を発表し、自動車事業の採算が改善したことで3四半期ぶりの最終黒字となったとしました。中国・上海市でのEV新工場で試作車の生産を始めたことも発表し、株価を伸ばしています。