<2021.10.1配信> 週間ブリーフ「ホンダが宇宙事業へ参入表明、フォードとSKイノベーションが車載電池に約1.3兆円投資 ほか」


ホンダは宇宙領域など新領域への取り組みを発表し、燃焼技術や制御技術などのコア技術を生かして、低軌道向け小型人工衛星を打ち上げる小型ロケットの開発に取り組んでいることを明かしました。また、電動化技術を生かし、空飛ぶクルマ「Honda eVTOL」(電動垂直離着陸機)の開発を進めていることも発表しました。

トヨタ自動車子会社のウーブン・プラネット・ホールディングスは、米国シリコンバレーを拠点とし、先進的な自動車OSを開発する米Renovo Motors(レノボ・モーターズ)を買収したと発表しました。オープンな車両開発プラットフォームであるAreneの開発にレノボの人材と技術を活用します。

自動車メーカー5社(SUBARUトヨタ自動車日産自動車ホンダマツダ)と部品メーカー5社(アイシンジヤトコデンソーパナソニック三菱電機)は、デジタル技術を使ったモデルベース開発(MBD)の標準化や普及へ向けて、「MBD推進センター」を発足させ、運営会員として参画すると発表しました。業界全体で車両開発の効率化を図ります。

日産自動車は欧州市場に投入する小型商用車(LCV)「Townstar(タウンスター)」を発表しました。EVとガソリン車があり、EVモデルは44kWhのバッテリーを搭載し、航続距離285kmで、年内に生産開始予定です。

デンソーテンは、ドライブレコーダーなど組込み機器(エッジ端末)で撮影した車両や歩行者の画像データをエッジ端末でリアルタイムに認識するエッジAI技術を開発したと発表しました。認識結果に基づき、クラウドセンターで本当に必要なデータだけを車載機器へ要求でき、データ収集コストを大幅に削減できるとしています。

日立製作所日立Astemoは、電気自動車(EV)向けに、ホイール内部にモーターとインバーター、ブレーキを一体で搭載可能な小型・軽量のダイレクト駆動システムを開発したと発表しました。駆動力をホイールに直接伝えられ、エネルギーロスを30%低減し、EVの航続距離を延ばすことができます。

JR西日本ソフトバンクは、自動運転と隊列走行技術を用いたバス高速輸送システム(BRT)の実験を10月から滋賀県内の専用テストコースで始めると発表しました。異なる車種が合流して隊列走行を行うなどの実証実験をし、2020年代半ばに社会実装することを目指します。

米国ではフォード・モーターが韓国・SKイノベーションと共同で114億ドル(約1兆2700億円)を投資し、テネシー州とケンタッキー州に大型電池工場を建設すると発表しました。電池の生産能力は年間129GWhとなり、25年から生産開始予定。テネシー州にはEV車両工場も新設し、併せて1万1000人を雇用する計画です。

ゼネラルモーターズ(GM)の電動配送トラック事業を担うブライトドロップ(BrightDrop)はEV商用バンの「EV600」の量産準備が整い、年内に顧客の米FedExに納入すると発表しました。また、2023年に販売予定の小型EVバン「EV410」も発表し、米ベライゾンが顧客として決まっていることも発表しました。

EVスタートアップのルーシッド・モーターズ(Lucid Motors)は、アリゾナ州の工場で、高級セダン「Lucid Air」の生産を開始したと発表しました。

欧州では、独メルセデス・ベンツが、欧州ステランティスと仏エネルギー大手トタル・エナジーズによるバッテリー製造合弁会社の仏オートモーティブ・セルズ・カンパニー(ACC)に33%を出資すると発表しました。メルセデスは2025年以降の新型車を全てEVにする方針で、バッテリー確保へ連携を広げます。

スウェーデンの電動車メーカーで、中国の浙江吉利控股集団傘下のポールスターは、特別買収目的会社(SPAC)との合併により、2022年前半に米ナスダック市場に上場すると発表しました。企業価値の評価額は200億ドル(約2兆2千億円)と見積もっています。

浙江吉利控股集団は自動車製造の技術を活用してグループ会社が人工衛星を開発し、浙江省で生産を始めたと発表しました。衛星による高度な自動運転開発なども視野に入れています。

 

 

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