今週、東京モーターショー2017が報道陣向けに公開され、電気自動車(EV)や人工知能(AI)などの各社のコンセプトカーや戦略が発表されました。
トヨタ自動車はドライバーの感情や嗜好を読み取るAIを搭載したコンセプトEV「トヨタ コンセプト愛i」や燃料電池車(FCV)「ファイン コンフォート-ライド」を公開。EV向けの次世代電池「全固体電池」について2020年代前半の実用化を目指して開発していることを明らかにしました。またレクサス「LS+コンセプト」も公開し、20年に高速道路での自動運転を実現するとしました。
日産自動車はクロスオーバータイプのコンセプトEV「ニッサン IMx」を初披露し、18年からEVレース「フォーミュラE」へ参戦することを発表しました。ホンダは9月のフランクフルトモーターショーで世界初公開した小型EV「アーバンEVコンセプト」をベースに、20年にEVを日本市場に投入することを発表。同じプラットフォームを使うスポーツタイプのEVコンセプト車も公開しました。
商用車では三菱ふそうトラック・バスが商用車の電動ブランド「E-FUSO」を立ち上げ、数年以内にトラックとバスの全5車種に電動モデルを設けると発表。同社のEV小型トラック「eキャンター」は既にヤマト運輸やセブン・イレブンの配送に導入されることになっています。
このほか、スズキの2人乗りの四輪駆動型EVのコンセプト車「イー・サバイバー」、次世代のSUVをイメージした三菱自動車の「イー・エボリューション コンセプト」など、多くのメーカーがEVをベースにしたユニークなモデルを公開しています。
海外メーカーでは、アウディが市販車として初めてのレベル3自動運転を実現した「A8」を日本初公開。フォルクスワーゲンはワーゲンバスをEVとして蘇らせた「I.D. BUZZ」、ダイムラーはシェアリングを想定した「ビジョンEQフォー・ツー」ほかを日本初公開しています。
海外では、米ライドシェア大手のリフトがグーグル系のベンチャーキャピタルなどから10億ドル(約1130億円)の出資を受けたと発表。グーグルはリフトと競合するウーバーテクノロジーズにも出資していますが、自動運転関連の知的財産侵害で係争が続いていて、今後はリフトとの関係を深めることになりそうです。
米自動車部品大手デルファイは自動運転システムの開発を加速させるため、自動運転開発ベンチャーであるヌートノミーを4億5000万ドル(約510億円)で買収すると発表。シンガポールの配車アプリ大手グラブは7億ドル(約800億円)の融資を受け、域内でのレンタカー事業を拡大することを表明しています。独自動車部品大手コンチネンタルは高速道路における未来の高度な自動運転技術「クルージング・ショーファー」を発表し、20年に生産開始予定としました。