<2023.10.13配信> 週間ブリーフ「トヨタと出光がEV用全固体電池で協業、ステランティスとサムスンSDIが米国で電池工場 ほか」


トヨタ自動車出光興産は、電気自動車(EV)の次世代電池となる全固体電池の量産化に向けて協業すると発表しました。高容量・高出力を発揮しやすい硫化物系の固体電解質が対象。量産技術や生産性向上、サプライチェーン構築に両社で取り組み、2027~28年の全固体電池実用化を確実にし、その後の本格量産を目指します。

トヨタ自動車の北米法人は、韓国LGエナジーソリューション(LGES)と、米国でのEV向け電池の供給契約を締結したと発表しました。LGESは同社ミシガン工場に約4兆ウォン(約4500億円)を新規投資し、2025年にトヨタ専用の電池セルとモジュールの生産ラインを新設・稼働開始。年間20GWhの供給を予定しています。

トヨタ自動車は2024年に開くパリ2024オリンピック・パラリンピックに、大会公式車両として計3374台を提供すると発表しました。乗用車は2674台で、このうちEVが1003台、燃料電池車(FCV)が500台を占めます。

トヨタ自動車などが出資し、商用車技術を開発するコマーシャル・ジャパン・パートナーシップ・テクノロジーズ(CJPT)は、カーボンニュートラル実現、物流課題解決に向けて、タイに新会社「CJPT-Asia」を設立すると発表しました。また、エンジン不正問題を受けて除名していた日野自動車をCJPTに復帰させることも発表しました。

ホンダ三菱商事は、EVの普及拡大を見据え、サステナブルなビジネスモデルの構築に向けて事業化検討の覚書を締結したと発表しました。バッテリーモニタリング機能を高度化したバッテリーのライフタイムマネジメント事業や、先進の制御技術に基づくスマート充電事業などについて協議します。

日産自動車日立ビルシステム日立産機システムと共同で、停電時などを想定し、EVからの給電でマンション・ビル向けの自動給水ユニットを稼働させる実証実験を実施。日産の軽EV「サクラ」を利用し、2万リットル以上の給水を実証しました。

デンソー三菱電機は、次世代パワー半導体の事業拡大を見込み、半導体材料などを手掛ける米コヒレントがSiC事業を分社化して設立する新会社へ、それぞれ5億ドル(約750億円)を出資すると発表しました。両社はコヒレント子会社の株式を12.5%ずつ取得します。

ヤマト運輸は、京都府・八幡営業所の集配車両32台を全車EVとし、同営業所を再生可能エネルギー由来電力を活用したエネルギーマネジメントを行うモデル店として本格稼働しました。営業所には太陽光発電設備や蓄電池、電力平準化システムを導入しています。

自動運転事業を手掛けるBOLDLY(ボードリー)は神戸市でエストニアのAuve Tech(オーブ・テック)社製の自動運転EVの体験試乗会を実施し、自動運転レベル4相当での運行に成功したと発表しました。

このほか、10月に開幕する「ジャパンモビリティショー2023」の展示概要を各社が発表。日産自動車は最新グラフィカル・ユーザー・インターフェース(GUI)を搭載したEVコンセプトなどを公開。スズキは軽EV、SUBARUはスポーツタイプEVの各コンセプトモデルを発表するほか、トヨタ自動車は「レクサス」ブランドで2026年に投入予定のEVコンセプトモデルを初披露します。パナソニックは2035年のモビリティ・モデルを、トヨタ紡織はユーザーの姿勢や移動中動作に合わせてシートが形状変化するコンセプトモデルを展示します。

海外では、欧州ステランティスと、電池大手の韓国サムスンSDIが、両社の電池合弁スタープラスエナジーの米国第2工場をインディアナ州ココモに建設すると発表しました。32億ドル(約4800億円)を投じ、2027年に稼働予定。年産34GWhで、同じ場所に建設中の第1工場と合わせると67GWhとなる見込みです。

スウェーデンの電池メーカー、ノースボルトはカナダ・ケベック州にEV向け電池工場を新設すると発表しました。50億ドル(約7500億円)を投資し、30 GWhの年産能力を確保、その後に60 GWhまで引き上げる計画です。2026年に稼働を開始する予定で、2023年秋に建設を開始します。

フォルクスワーゲンは、傘下の電池会社パワーコ(PowerCo)と、ベルギーの電池材料事業などを手掛けるユミコア(Umicore)との合弁会社「イオンウェイ(Ionway)」が、初の電池工場をポーランド南部に建設すると発表しました。2025年中に稼働を始め、年産40GWhの計画です。

ルノーと、スウェーデンのボルボ・グループは、物流の脱炭素化・効率化に向けて、電動バン開発の新会社を折半出資で立ち上げると発表しました。2024年の設立から3年間で3億ユーロ(約470億円)ずつ投資予定で、海運大手の仏CMA CGMもファンドを通じた出資を検討しています。

欧州連合(EU)の執行機関、欧州委員会は、中国製EVが国の補助金によって競争を不当に阻害していないか正式に調査を開始したと発表しました。

 

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