今週、ドイツでフランクフルトモーターショー(IAA)2017が開幕し、各社の電動シフトが注目を集めました。なかでも独フォルクスワーゲンは2025年までに電気自動車(EV)50車種とプラグインハイブリッド(PHV)30 車種を投入し、2030年までにグループ300種類全てで電動化モデルをそろえると発表。排ガス不正から2年、大きく戦略転換しました。
独BMWは2025年までに25車種のEV/PHVを投入すると表明し、ショーでは米テスラを意識したとみられるスポーティーなEVコンセプトカー「i Vision Dynamics」を公開。独ダイムラーは高級車ブランド「メルセデス・ベンツ」の全車種を2022年までに電動化し、小型車ブランド「smart」も2020年までにすべて電動化するとしました。
世界的な環境規制の動きでは、既に英仏が2040年にガソリン車・ディーゼル車の販売を禁じる方針を発表していますが、今週、中国政府も同様の措置を検討していると報じられました。世界最大市場の動きは今後、各社の戦略に影響を与えそうです。
日本勢では、ホンダが量産を見据えたEVコンセプトカー「アーバンEVコンセプト」を発表。このモデルを基に、欧州で2019年にEVを発売するとし、今後欧州で発売される全ての新型モデルに電動化技術を搭載するとしました。また、ホンダは中国で来年発売するEV開発で、中国IT大手のニューソフトと提携することも別途、発表しています。
自動運転関連では、独自動車部品大手ZFが中国ネット検索大手の百度(バイドゥ)と広範囲な技術開発で提携するとフランクフルトで発表。また、レベル3を実現する「A8」を7月に発表して話題を呼んだ独アウディは、レベル5の完全自動運転を実現するEVコンセプトカー「アイコン」を公開しました。
日本のコネクティビティ領域では、トヨタ自動車がクラウドと車載機を融合したハイブリッド方式の新型ナビゲーションシステムを開発。データ処理を状況に応じてクラウドと車載機で切り替えることができ、より的確なルート検索などを可能にしています。今秋発売モデルから順次導入予定です。
米国では米運輸省高速道路交通安全局(NHTSA)が自動運転の開発・走行のためのガイドライン改訂版を公表。当局への報告義務が緩和されるなど、より民間の要望に沿った内容に改訂されました。その他、米ライドシェアのリフト(Lyft)がサンフランシスコ市での公道試験のため自動運転ソフトウェア開発を手掛けるDrive.aiと提携しました。